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コンサルティング業界とIT ~IT技術を対象とするポジションとその将来性とは?~

2020年5月22日
トピックス

昨今の世の中では、ITの技術革新が加速しており、ビジネスの世界においてもあらゆる業界でIT技術の導入が進んできています。IT化の波はコンサルティング業界も例外ではなく、コンサルティングファーム自体がIT技術を導入する事は勿論、最新のIT技術を対象とした、また、活用したコンサルティングサービスなどの新たなビジネスが立ち上がりつつあります。本稿では、コンサルティング業界におけるIT技術を対象とするポジションやその将来性ついて解説していきます。

■コンサルティングファームにおけるITを用いるポジション

コンサルティングファームにおけるITを使うポジションとして主にITコンサルタント、データサイエンティスト(アナリスト)、マーケティングコンサルタントが挙げられます。これらの職種それぞれの仕事内容や求められるスキル、キャリアパスについて解説します。

◆ITコンサルタント

コンサルティングファームにおけるITを用いる職種として最も名前が浮かびやすいのはITコンサルタントではないでしょうか。まずはITコンサルタントについて解説いたします。

◇仕事内容

ITコンサルタントの仕事内容は、クライアントがもつITに関わる問題点の解決を通じてクライアントの利益を増大させることです。分野はITに限られますが、その業務範囲は幅広く、IT技術をどのように活用するかを決定するIT戦略立案の支援から、それらの技術の導入支援まで幅広く取り組みます。
また、IT領域におけるリスクの評価も行っており、代表例としてITデューデリジェンスが挙げられます。管理企業間でM&Aが行われる際、相手の財務状況を審査するデューデリジェンスとよばれるプロセスがあります。その際にIT領域においても審査が行われ、主に情報漏洩等に対するセキュリティといったリスク関係の審査にITコンサルタントが関わります。これらの評価はM&A時のみならず、クライアントの要望に応じて実施されます。
※一般的なコンサルタントの業務内容にご興味いただいた方は、当社記事「コンサルティング業界が存在する意味とは? ~コンサルタントの仕事とその魅力~」をご覧ください。

◇必要とされるITスキル

ITコンサルタントはあらゆるIT技術を対象としたコンサルティングを行います。大手コンサルティングファームでは、特定の技術に特化したコンサルタントが複数在籍しており、自身の得意な技術を中心に業務に取り組むことができますが、比較的規模の小さい独立系ファームにおいては、個々人の取り扱うIT技術の範囲が広くなる傾向があるます。したがって、これまでに登場したIT技術やその活用方法を一通り知っておくことは勿論、最新のIT技術に対する学習をし続ける必要があります。現在ITコンサルタントが取り扱うIT技術について簡単にご紹介いたします。

・AI(機械学習・ディープラーニング)

AIとは「人の認知行動をコンピューターに行わせる技術を研究する分野」を表す言葉です。しかし、一般的には「プログラムにデータを学習させることによりプログラム自身に新たなデータを自動的に分析させる技術」である機械学習やディープラーニングの意味合いで使われることが多いようです。画像認識の分野、具体的には、デジタルカメラや防犯システムに用いられる顔認証システムなどでよく用いられています。また、ビッグデータに対する分析への活用が進んでいます。

・IoT

物に対してインターネットをつなぐ技術です。活用例として、センサーによる漏水通知システムが挙げられます。配管から漏水が発生した際にインターネットを通じてその情報を所有者または管理者に知らせる技術です。また、AIと組み合わせたAIoTと呼ばれる技術も出てきています。

・クラウドコンピューティング

クラウドはWeb上で提供されるサービスの総称です。Web上でアプリケーションサービスなどのソフトウェアを提供するSaaS、ソフトウェアの開発環境等の場(ミドルウェア)を提供するPaaS、ハードウェアやOSを提供するIaaSに分けられます。自社サーバーを持たずに情報環境を整えることができるPaaSやIaaSは現在多くの企業から注目されており、これらの導入経験がある方はコンサルティングファームでもニーズが高いです。

・RPA

パソコン操作をソフトウェアに記憶させて作業を自動化させる技術です。RPAを導入することにより、繰り返し行う必要のある単純作業の自動化及び高速化、かつ、人的ミスの防止を実現できます。

・ERP(基幹ソフトウェア)

従来企業の各部門がそれぞれ管理していた経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を一元管理するためのソフトウェアです。SAP、Oracleなどが有名であり、世界的に導入が進められています。

・プログラミング

プログラマーと打合せの際にはプログラミング言語に対する知識はあって損はなく、また、ファームによっては開発も自社で行う場合があります。特に、アソシエイト・アナリストクラスの方はプログラミングを要求されることがあります。どのプログラミング言語を知っておくべきか案件やファーム次第ですが、RubyやPHP、Pythonは比較的初心者にも習得しやすいと言われています。

◇キャリアパス

・戦略コンサルタント

ITコンサルタントが転職する先としてポピュラーな選択肢として戦略コンサルタントが挙げられます。未経験者が中途採用で戦略コンサルタントになることは非常に難しいと言われています。そこで、戦略コンサルタントになることをキャリアのゴールと見据えて、ITコンサルタントになる方も一定数います。ただし、ITコンサルタントと戦略コンサルタントは業務領域や考え方に差があります。したがって、戦略コンサルタントとして即戦力になるスキルセットを身に着けるため、その事業や会社全体の利益創出のために自身が何をすべきかを考えるなど、普段から自身の業務を俯瞰的に見る習慣をつけることが大切です。

・CIO、CTO

元々のITスキルと、コンサルティング業界で培った経営的視点を活かして事業会社のCIOやCTOにキャリアチェンジする方もいます。そもそもITコンサルタントのクライアントはCIOやCTOといった情報部門の部門長クラスであることが一般的です。したがって、現役のCIOやCTOの方々を除き、それらの方々の気持ちや職務内容を最も理解しているのはITコンサルタントであると考えられます。ITコンサルタントとしての経験は、コンサルティングファームでは勿論、事業会社の技術部門においてもとても役立つものとなるでしょう。

◆データサイエンティスト(データアナリスト)

コンサルティングファームにおけるITを使うポジションに、データサイエンティストがあります。同じコンサルティングファームに存在するポジションではありますが、ITコンサルタントとデータサイエンティストは仕事内容や求められるスキルが大きく異なります。

◇仕事内容

データサイエンティストの仕事は、データをもとにクライアントの課題解決に必要な情報を引き出し提供することです。クライアントやコンサルタントから依頼を受けた際、提供されたビックデータをもとに課題を分析します。その分析結果をもとに解決策の仮説を考えて提供する役割を担っています。また、既存のデータだけでなく、新規にデータを収集する方法から設計する場合も増えてきています。

◇求められるITスキル

・データベースを操作するスキル

ビックデータはデータベース管理システム(RDBMS)と呼ばれるソフトウェアにより管理されることが一般的です。代表的なものとしてOracleやMicrosoft社のSQL Server及びAccess、オープンソースであるMySQLが挙げられます。
これらのデータベースを操作するために必要なスキルがSQLです。SQLは国際標準化されたデータベース言語であり、全てのデータベース管理システムに対し用いる事ができます。したがって、一度身に着けてしまえば、転職やシステム変更によりこれまでと異なるデータベース管理システムを使わざるを得なくなった場合でもそのまま生かせる汎用性の高いスキルと言えます。

・データを正しく分析し、活用するスキル

データ分析し、活用するためには、AI(機械学習・ディープラーニング)や統計解析の知識やこれらを用いた分析スキルが必要となります。
多くの企業はSASやSPSSなどのソフトウェアを活用してこれらの分析を行っていましたが、これらの分析はPythonやRといった習得が比較的容易なプログラミング言語で実施可能となりました。したがって、これらの言語を用いた分析ができる方のニーズは高く、年収も高い傾向があります。
プログラミング言語と聞くと敷居が高く感じるかもしれませんが、実際にコードの入力が生じるのは、データや既に作成された解析用パッケージの読み込みを行うためであり、自身で機械学習や統計解析のプログラムを1から作成する必要はありません。したがって、一度身に着けさえしてしまえばそれほど抵抗なく活用することができると考えられます。しかし、機械学習の分野ではこれから新しいパッケージが更に開発されてくると予想されるため、常に最新技術に目を配る必要があります。
また、データサイエンティストとして付加価値を付けていくためには、ただデータを分析するだけでなく、それらから引き出された情報が何を意味するのか、また、そこから何が言えるのかを明確に理解し、依頼者に説明できる必要があります。

◇キャリアパス

データサイエンティスト・アナリストはコンサルティングファームだけに存在するポストではありません。製薬業界をはじめとする事業会社やデータ分析を専門とする企業など、様々な場所で活躍できます。また、マーケティング案件を担当したことのある方はデータ分析のスキルを活かして下記に示すマーケティングコンサルタントにキャリアチェンジするという選択肢もあります。

◆マーケティングコンサルタント

コンサルティング業界の中でも比較的新しいポジションです。大手コンサルティングファームにも勿論そのポジションはありますが、国内独立系コンサルティングファームにおいて活動が活発である印象を受けます。老舗の戦略コンサルティングファームからマーケティングコンサルティングを主としたファームに転職をする方がいるなど、近年注目されている職種です。

◇仕事内容

マーケティングコンサルタントは、その名の通りマーケティング戦略に対する課題の解決通じてクライアントの利益を増大させる役割を担います。
マーケティングとは「顧客に対して価値を提供し、結果、利益を得ること」というビジネスの原理原則を指し示す概念であり、一見するとITとは関係なさそうな言葉のようにも見えます。実際、マーケティングという言葉が初めて登場したのは1900年代初頭であり、IT技術が発達する前から存在する概念です。
しかし、近年このマーケティングの分野において、IT技術の活用が勢力的に行われており、特に、顧客ニーズの理解に対しAIをはじめとするIT技術が活用されるようになりました。これらは一般的にデジタルマーケティングと呼ばれ、これからのマーケティング手法の主流となることが予想されます。データサイエンティストと何が違うのかと問われると、データサイエンティストはビックデータなどの分析をクライアントが持つ課題という切り口で活用していくのに対し、マーケティングコンサルタントはマーケティングという視点でビッグデータを活用するという違いがあります。
また、Webマーケティングに特化したWebコンサルタントも登場しています。主にクライアントのWebサイトからの利益を増加させる役割を担っています。

◇求められるITスキル

・データ分析のスキル
マーケティングコンサルティング領域においてもビッグデータの活用が注目されています。したがって、データサイエンティストと同様にデータベースを操作するスキルや、AI・統計解析を駆使したデータ分析のスキルがあると活躍の場が広がります。

・SEO(検索エンジン最適化)スキル
Webコンサルタント特有のスキルですが、SEO(検索エンジン最適化)が挙げられます。SEOとは、GoogleやYahoo等の検索エンジンからニーズを分析しつつ、その中から検索した際に上位表示されやすい検索ワードを選定してWebサイトの内容を調整する手法であり、Webマーケティングやそれに対するコンサルティング業務を行う上で必須となるスキルです。SEOに特化したSEOコンサルタントと呼ばれる職種が登場するなど、注目度の高いスキルであり、また、Youtuberやブロガー、アフィリエイターと呼ばれる方々もこれらの手法を駆使してコンテンツを作成しています。

◇キャリアパス

マーケティングコンサルタントのキャリアパスとしては、事業会社のマーケティングや経営企画等があげられます。また、先行投資や特別な資格が必要ない職種であるため、独立する方も一定数存在します。

■コンサルティングファームにおけるITポジションの将来性

ITコンサルタント・データサイエンティスト(アナリスト)・マーケティングコンサルタントといった3つのポジションについて紹介してきましたが、これらのポジションに共通する強みとして、IT技術と共存し続けることができる点が挙げられます。

◆IT技術を活用するポジションを取れる

コンサルティングファームのITポジションはIT技術を活用することが求められます。
技術の進歩により、これまで人が担ってきた仕事の多くがITに置き換わると予想されています。確かに、計算の速さや作業の正確性等については、人はIT技術に勝つことは難しいでしょう。また、技術を作る側に立った場合、ひとつの技術に精通しても新技術の登場により、自身が得意とする技術が時代遅れになるリスクがあります。
一方、現時点でIT技術を活用することができるのは人だけであるため、IT技術そのものとの競争が発生しません。また、技術を活用する側で居る場合、ひとつの技術に精通することは重視されず、様々な技術について活用できるだけの知識やスキル及び最新技術に対する学習が求められます。裏を返せば、これらの自己研鑽さえ忘れなければ、ひとつの技術が時代遅れになることに縛られず活躍し続ける事ができます。

◆ITを起点として経営的視座や自立心を養うことができる

また、IT技術を起点として経営的な考え方や自立心を身に着けることができる点も、IT技術との共存において力になります。
コンサルティング業界では個人の業務について、上司から与えられた仕事をただ言われた通りにこなす事だけでは評価されず、自身に与えられた仕事がクライアントや自社の利益に対してどのような立ち位置にあるのかを見据えて業務に取り組むことや、さらに、クライアントや自社に貢献するために自分は何ができるのか考えて行動することが求められます。すなわち、コンサルティング業界におけるITポジションでは、クライアントや自社の利益に対し自身の業務がどのような位置づけであり、かつ、そこに自身がもつITスキルをどう活用すべきかといった視点で業務に取り組み続けることが求められます。その結果、会社に所属し与えられた仕事をこなすという考え方から離れ、経営的視点と自立心を養うことができます。

以上より、ITに対する最新技術の自己研鑽と、AIではなく人間だからこそ提供できる付加価値を高めていけば今後さらに活躍し続ける事が可能であるため、コンサルティングファームにおけるITポジションは将来性があると考えられます。

■まとめ

コンサルティング業界では
・最新のIT技術を対象とした、また、活用したサービスを展開している。
・ITコンサルタント、データサイエンティスト、マーケティングコンサルタントなどが最新のIT技術を活用している。
・IT技術と共存し続けることができる。

コンサルティング業界では、SEの方をはじめ、実務でIT技術を用いた経験のある方を広く募集しています。ネクストキャリアとしてコンサルティング業界をお考えの方は是非お気軽にご連絡下さい。皆様がキャリアにおいて目指す方向に伴走できるようサポートいたします。

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